dilemma 2018-19aw First Delivery / Snap Report

大好評だったファーストシーズンを終え、dilemma(ダイレマ)の2018-19年秋冬コレクションのデリバリーがいよいよ8月よりスタート。

一冊のコミックでオリジナルストーリーを展開する独自のアプローチは今シーズンも継続で、シーズンテーマ"IT IS FAR EASIER TO PULL THE TRIGGER THAN HOLD OUT A CANDY"を洋服に落とし込んでいます。

舞台は遥か未来。世界は6ヶ国に分裂し、戦争は絶えず、兵士は疲弊しながらも日々戦い、命を奪われることに怯える毎日。そんな中、一人の兵士がある少年に出会い、運命が変わっていく。というストーリーで展開。

キャッチーなロゴや色鮮やかなグラフィックに惹かれ読み進めていくと、ストーリーにふと手が止まり考えさせられる内容です。

背中のスナップボタンと取り外し可能な国旗のプリントパネルが。これは兵士が互いの国旗を奪い合うイメージでデザインした、今シーズンをハイライトするディテールで、剥がされた後には"IT IS FAR EASIER TO PULL THE TRIGGER THAN HOLD OUT A CANDY"がプリントされています。
洋服はその人の内面を映し出す、いわば己の鏡であるのならば、ダイレマが描く誰もが抱いてあるであろう不安と希望は、自分の心を見られているような感覚に陥ります。 だからこそ、ブランドのテーマである”狭間にある美”、日常に感じる不安定、そのアンバランスな状態の中で手にしたものこそ美しいという提案が、着た時に感じる安心感と一体感に繋がります。
私たちは洋服を装う事で誰よりも美しくなれる。
弱さがあるからこそ、強く、儚く、美しい。
それがdilemmaの世界観なのだと思います。
シーズンごとにテーマを設けることは容易ではないし、コンセプトの創造から実際の商品を手にするまでの道のりにはたくさんの不安と迷いがあります。
だからこそdilemmaに感じる強さや美しさ、力を得た洋服は意図せずとも手にとって見たくなる。それがファッションの持つエネルギーに心が動かされる瞬間だと思います。
オープン当初から変わらずずっと私が感じてきたこと。R for Dにはたくさんのエネルギーに満ちたアイテムがあり、自分の感情を揺さぶる出会いに会いにいく。どんな情熱をあなたはお持ちですか。皆さん、またお店で会いましょう。
Text:John / Photo:Koichi kondo